皆さんは、住宅ローンについてどこまで知っているでしょうか?住宅やマンションの購入を検討されている方やご家族がすでに家を購入したという方なら、聞いたことはあるかもしれません。しかし、住宅ローンを申し込む機会はそう度々訪れるものではありません。「普通のローンとどう違うのだろう?」という方もいらっしゃるかもしれません。住宅ローンとは一言で言ってしまうと、住宅目的に制限される融資のことです。
もう少し詳しく表現しますと「本人及びその家族」または「本人の家族」が居住するための住宅やそれに付随する土地を購入、または新築や増改築する際の資金の融資を受ける際に利用するローンなのです。住宅や土地というのは大変高額なものです。ほとんどの方が人生で最も高額な買い物となると思います。一括で買うなんてことはそう多くの人が出来るものではありません。貸す方としても、一般の個人への融資金額としては高額になります。
しかも1回の利用で何千万円というまとまった融資を受けることになるため、その後のライフスタイルが一変してしまうことさえ予想されます。そのために、住宅購入者に特化したローンとして出来たのがこの住宅ローンです。日本での起源はとても古く、100年も前の日清戦争の頃に遡ります。
経済が活発になるにつれ、「住宅を買おう」という人達が増え、その人達のために、不動産会社が始めたのが事の起こりで、第二次大戦後の復興時に、戦災による住宅不足から住宅金融公庫が設立され、本格化してきて、今や住宅も一般に普及し、民間の金融機関の主力商品の一つになりました。
このように「住宅ローンを申し込む」ことは、大変重要なライフイベントであるにもかかわらず、その中身を意外に知らない方が多いのも事実です。まずは「住宅ローンとはいったいどのようなものなのか」調べてみましょう。
住宅ローンは住宅や土地が対象ですから、当然、他の融資に比べ、融資額が高くなります。そのため、金利は低く抑えられ、返済期間も長いのが特徴です。しかし、だからといって油断は禁物です。住宅ローンの金利が1%変わるだけで総返済額は大違いですし、期間が少し違えば、ひと月当りの返済額も大違いなのです。
そのため融資する側も、万一貸し倒れになった場合に融資側の金融機関がとる手段として、建物や土地への抵当権を設定したり、住宅ローン専用の保険である団体信用生命保険への加入を条件としたりするのがほとんどです。この生命保険は、万一、契約者本人が返済途中で死亡、障害、病気などで返済不可能になった場合に代わって返済するという保険です。
この保険からも分かるように、住宅ローンはそれだけ長期間で高額であるということなのです。ですから、住宅ローンに重要なのは、事前の積み立てによる頭金の準備や様々な情報収集、そして自らの収支に基づいた長期に亘る返済計画が必要となります。
この住宅ローンを借りる目的をもう少し詳しく紹介すると、「新築・中古マンションの購入」、「新築・中古一戸建て住宅の購入」、「一戸建て住宅の建築」、「住宅用地の購入」、「マンション・一戸建てのリフォーム」などが挙げられます。ですから、単身赴任中に居住するためのマンション購入費用や、今はやりのセカンドハウスの購入には利用できないケースがあります。
住宅ローンの種類は公的融資と民間融資に大別されます。公的融資には公庫融資、年金融資、財形融資などがあり、これらの住宅ローンは条件・利用資格などに制限があります。民間融資は銀行や保険会社、ノンバンクなどが扱っている住宅ローンで制限が少ないのが特徴です。変動金利型の住宅ローンや固定金利型の住宅ローンなどがあり、各機関で金利も異なります。
かつて、「住宅ローンを使うなら、住宅金融公庫(現住宅金融支援機構)にしておけばまちがいない」などといわれたころもありました。しかし最近では、銀行をはじめ多くの金融機関がいろいろな住宅ローンを商品化しており、公的融資に見劣りしない特徴的な商品も数多く存在しています。
住宅ローンの種類は、大きく分けると大きく分けて次の4つに分けることができます。
公庫融資
「住宅金融公庫」のローンのことですが、平成19年4月より「住宅金融支援機構」となりました。国内では唯一の住宅専門の政府系金融機関です。基本的に政府からの借入金により長期、固定低利で購入資金を融資しています。
70歳未満であれば誰でも借りられるため自営業者などでも借りやすいのですが、住宅の面積や価格などに制限が付くなど民間ローンに比べて金利が安いメリットはあるものの条件が厳しいという側面もあります。これまでに融資された住宅は、戦後に建設された住宅の約30%にもなります。「住宅金融支援機構」では、「公庫ローン」と「フラット35」を取り扱っています。
民間ローン
都市銀行や地方銀行の他、生命保険会社やノンバンクなどの民間機関で取り扱われ、金利は年2回見直される変動金利と一定期間固定される固定期間選択型が主流です。 公的融資に比べて融資審査の条件が比較的緩やかと言われています。
内容も柔軟性があり、工夫を凝らした種類が豊富。育児休業付きローン、退職金一括返済ローンといった特徴的な商品も存在します。しかし、各金融機関の融資条件はそれぞれ定められており担保となる物件や借りる人の年収や勤務状況などを総合的に判断して融資するかどうかを決定しているため勤続年数が短ければ借りれないなどのデメリットもあります。
フラット35
住宅金融公庫と民間金融機関が提携した住宅ローンです。15年以上35年以下の長期固定金利型住宅ローンで金利は民間金融機関が決めるのが特徴です。それぞれ取り扱う民間金融機関によって金利や融資額が変わっってきます。 審査基準は公庫の基準に準じていることもあり一定の収入基準を満たせば勤続年数などは問われないため利用する人が増えています。
その他(財形融資など)
自治体が住宅融資を取り扱っているケースや勤務先で財形貯蓄を1年以上続けているサラリーマンを対象とした公的融資として財形住宅融資などがあります。
住宅ローンの金利には、主に固定型金利と変動型金利、固定期間選択型金利の3つがあります。当然のことながらそれぞれに特長とメリット・デメリットがあります。固定型金利は、金利が固定であるため低金利時に住宅ローンを組むと将来金利上昇時のリスクを減らすことができます。また、返済金額が変動しないため返済計画が立てやすい面もあります。
その反面、金利が下降した場合結果的に金利負担が大きくなることになるので、金利の差が大きくなる場合は住宅ローンの借り換えを考えましょう。変動型金利は、金利が半年に1回見直されるため低金利時期や金利が下がっている時には金利が抑えられるためメリットを受けることができます。
ただし、金利が急激に上昇した場合でも返済金額は5年間見直されないため、上昇した金利により増えた利息が元金に組み込まれます。そのため、返済期間や月あたりの返済金額に影響を及ぼす可能性もあります。固定期間選択型は、固定期間終了後に固定金利か変動金利か選べるため、金利の状況に応じてメリットがある選択ができます。
当然、固定期間の間に金利が上昇する場合は固定金利で最初から借入をした方がメリットを享受でき金利が下降する場合は最初から変動金利にしておいた方がメリットを享受できる仕組みです。ではどの金利で借入するのがいい手段と言えるのでしょうか?
それぞれの商品にメリット・デメリットが存在するため、その答えは存在しないのかもしれません。しかし金利によって損得が出るため、金利の選択は住宅ローンの一つのポイントと言えることは間違いありません。なお、意外に忘れがちですが、住宅ローンの金利の決定時期についてご存知でしょうか。
民間金融機関の支払利息や毎回の返済額については、融資が行われた月の金利が適用されます。金利が上昇傾向にある時期には、住宅ローンを申し込んだ時点よりも、実際の融資が実行された時期の方が高金利になっている可能性があるので、住宅ローン申込後の金利動向にも注意を払いましょう。
民間住宅ローンの金利が発表されるのは、たいていが月初になっています。前月と同じ金利に据え置かれる場合ももちろんあるのですが、キャンペーン金利などでは変動が多々起きますので、金融機関の毎月の最初の営業日に、金利情報を確認するようにしましょう。
住宅ローンの金利のタイプには、大きく分けて「固定金利」タイプと「変動金利」タイプがあります。固定金利とは、決められた金利でローンの支払いを行うもので、変動金利タイプは、一定期間毎に設定金利が変わる物を言います。固定金利は契約の際に金利が決まるので、長期の返済が立てやすく、金利上昇の影響を受けないので安心です。
しかし、金利が下がったときも、契約時の金利のままの支払いを続けなくてはならないので損が出ます。金利が低く、これから金利の上昇が見込まれる時は固定金利が選ばれます。変動金利は契約から、一定期間毎で金利が変わるので、返済額も変わり、長期の返済計画が立ちません。そして、金利上昇の影響をもろに受け、予想外のリスクに見舞われることもあります。
しかし、金利が下がった場合はその分低金利で済むので非常にお得です。金利が高く、これから金利の低下が見込まれる時は固定金利が選ばれます。低金利で金利変動のリスクが高い商品と、金利変動に影響されず安定しているけど、金利設定は高め。 どちらがいいのでしょう?多少リスクがあっても、無理なく返済できる計画を立てる事も大切です。
所得が少ないのに無理な返済計画を立て、返済に苦しみ、破綻してしまっても話になりません。それをうまく回避できる商品も今はあります。自分に合ったものを金融機関とよく相談して決めましょう。さて、ここまで紹介してきた各タイプのなかでどれが有利かは、そのときどきの金融情勢やあなたの条件などによって異なります。
まず、各タイプのなかで最も金利が低いのは一般的に固定金利選択型の1年~3年もので、次いで変動金利型の順となり、あとは固定期間が長いものほど高くなる傾向にあります。したがって、短期間のうちに買い換える予定がある人や短い返済期間で返すという人は、金利の低さに注目して1年~3年ものの固定金利選択型を選ぶとよいといえます。
一方、長期返済を考えている人は、現状の金融情勢をしっかり考慮する必要があります。現在の金利水準が高く、将来下がる可能性があると思えば変動金利型、反対にいまが最低水準にあると思えば長期間金利が固定されているものを選ぶとよいでしょう。
ご存知の方もいらっしゃるとは思いますが、これまでの日本の市場は、超低金利時代と言われていたほどですから、変動金利の方が低いのが一般的でしたが、ここ1~2年の間の景気回復を受け、公定歩合が引き上げられました。ですから、より一層の慎重な検討が必要になってくるのです。
住宅ローンの返済方法には、大きく分けて元利金等返済と元金均等返済があります。まずはどこがどう違うのかをおさえておきましょう。元利均等返済とは、「毎回、一定の金額を返済していく方法」です。ローンの返済額の中には、利息と元金が含まれていますが、元利均等返済ではその合計額が一定になるように返済額が計算されています。返済額に占める元金と利息の割合が毎回、変わっていく仕組みです。
たとえば3000万円を金利3%として、30年返済で借り入れた場合、毎月の返済額は12万6481円になります。初回から最終回まで、ずっと同じ額です。これに対し、元金均等返済では「毎回返済する元金の額が均等」です。毎回一定の元金に加え、その時々に残っているローン残高に対する利息を返済します。残高が減れば利息は減っていきますから、利息の金額が毎回変わり、結果、返済額も毎回変わっていきます。
前述と同じ借り入れを元金均等返済した場合、初回の返済額は15万8333円、2回目は15万8125円、100回目は13万7708円など、だんだんと返済額が減っていきます。元利均等、元金均等、それぞれにメリット、デメリットがあります。まず元利均等は、毎回返済額が一定であるため、返済計画が立てやすく、家計が安定しやすいのが魅力といえるでしょう。
前述の試算例でも見て取れますが、返済期間が同じなら、元金均等より当初の返済負担が抑えられるメリットもあります。元金均等は当初の返済負担は大きくなりますが、次第に返済額が減っていくため、あとの返済が楽になってきます。
利息負担においては、3000万円を金利3%として、30年返済で借り入れた場合、元利均等なら利息の総額は約1553万円。これに対し、元金均等では約1354万円となります。したがって、元金均等のほうが約200万円利息負担が少なく済みます。これは大変魅力といえるでしょう。
ただし、前述のとおり、元金均等では当初の返済負担が重いという問題があります。次第に減っていくとはいえ、元利均等返済した場合の返済額を下回るまでにはかなりの年数がかかり、返済負担が重い時期が長く続きます。今はたくさん返せるけれど、教育費がかさむ時期には返済負担を抑えたいという場合など、返済額の減り具合がいいタイミングになるようなら、元金均等も有効かもしれません。
ただし「今は共働きでたくさん返せるけれど、子どもができたら妻は退職するかも」といった世帯では、安易に元金均等を選ぶと返済負担が重い時期が長引き、危険かも知れません。その場合は、元利均等返済にし、収入が多い時期に繰り上げ返済などを行なうことで利息負担を抑える方法が安心でしょう。 元金均等返済では当初の返済額が15万8333円。もしこの金額でずっと返済できるのなら、元利均等で返済期間を短く組む、という方法もおすすめできます。
平成19年4月から、「住宅金融公庫」は、「住宅金融支援機構」になりました。公的サービスとして住宅ローンを提供してきた住宅金融公庫から、民間金融機関が住宅ローンを提供する際の支援を行ったり、民間金融機関では扱いにくい融資業務などを行ったりする「住宅金融支援機構」として生まれ変わったのです。
よって、今までの「公庫ローン」は使えなくなりました。代わりに、住宅取得支援機構は、民間金融機関による長期・固定金利の住宅ローン「フラット35」の供給を支援する証券化支援業務を中心に行っています。それでは公庫ローンに代わって、長期固定の住宅ローンの選択肢となった「フラット35」の商品内容をみてみましょう。
フラット35は、民間金融機関等が販売した住宅ローンを住宅金融支援機構が買い取り、そのローンを複数まとめて証券化し、機関投資家などに買ってもらって資金調達を行う、証券化ローンです。「フラット35」の申込みは、各民間金融機関で行います。その商品性は「フラット35」であればほぼ同様ですが、金利や融資手数料は金融機関や商品ごとに異なります。
フラット35の第一の特徴は、最長35年の長期固定金利商品であることが挙げられます。また優良住宅などなら、金利優遇されることもあります。また、4月から融資限度額が物件価格の9割まで(以前は8割)までとなり、より使いやすくなりました。
そのほか、内容や特徴は以下のようになります。
・長期固定金利(最長35年)
・適用金利は、申込時点ではなく融資実行時の金利
・保証料0円、繰上返済手数料0円、返済条件変更手数料0円
・住宅支援機構独自の審査を行うことで、住宅の質を確保
・物件検査は検査機関または適合証明技術者(中古住宅のみ)が行い、交付される「適合証明書」を申し込み時に提出します。物件検査手数料は、検査機関や地域、一戸建てかマンションかによって異なります(市街地に建設される一戸建て住宅の平均的な手数料(新築の場合)はおおむね2~3万円台)。
・最高8,000万円、建設費・購入価格の90%までの借り入れが可能
・融資対象となる土地、建物に住宅金融支援機構が第一順位の抵当権を登記する
・借り換えでの利用は不可
・優良住宅の場合などは、期間限定でさらに金利が優遇されることもある。
なお、最近では、「フラット35(保証型)」も発売されています。この保証型とは、「フラット35(保証型)」は、金融機関が提供する住宅ローンに対して住宅金融支援機構が保険を引き受けることにより実現した「長期固定金利の住宅ローン」です。「フラット35」と同様、長期固定金利の住宅ローンをお客様へ提供するために、金融機関と住宅金融支援機構が提携して実現しています。

